1/9(水)は「OSSライセンスMeetup Vol.1 「OSSライセンスの教科書」」に参加してきました。
会場は サイオス株式会社 さんの 9Fラウンジ。初めて来ましたが結構広いです。写真はありませんが、奥には卓球台なんかもあった気がします。
そしてステージが畳敷きでちゃぶ台まで。落ち着く空間ですね(笑)
風が強くてとても寒かったにもかかわらず80人以上の参加者が詰めかけ、会場は熱気にあふれていました。 ライセンスの話でこれだけの人が集まるのも凄いし、集まっている人たちもよく見ると錚々たる方々がいて、とても興味深いMeetupでした。
目次
OSSライセンスMeetupとは
その名の通り OSS(Open Source Software)のライセンスに関するテーマを扱うMeetupです。(何処にも書いてなかったけど) イベントの概要から引用すると
ソフトウェア開発者をはじめとするソフトウェア技術と何らかの関わりがある方々に向けて、「こんな事をおさえているとOSSをより積極的に使えるはず!」という話が聞ける貴重な機会
ということで、エンジニアに限らない様々な人に向けた「OSSライセンス」についての啓蒙活動なのかな、と思いました。 ちなみに、今回だけのイベントだと思っていたら継続して開催されるようですね。 今回参加できなかった方も次回は是非!
何故参加したか
長年、SIerとしてSESで顧客先に常駐して仕事をしてきた中で、これだけOSSが普通に利用されてきているのに開発現場のライセンスに対する認識がとても低いことに危機感を感じでいるからです。日本のIT産業はSESで顧客先に常駐して仕事をしている技術者の割合は結構多いと思います。自社で使うのと違って、こういう環境で使う場合は「 その現場次第 」のケースが多く、ライセンス違反の温床になっているのではないでしょうか。厳密な意味ではなくても、どうせフリーなんだし、というような認識であったり、意味もなく「GPL怖い」みたいな声を何度も聞いてきました。そういう状況を変えるためにも、自分がライセンスについてきちんと理解することは大切だと思い、参加しました。
なお、今回のテーマにある、「OSSライセンスの教科書」という本はこちらです。 僕は今回のMeetupに参加するにあたって読んでおいたほうが良いかなと思い、電子書籍(Kindle)を買って読んでいます。(開催までに読み終わらなかった。。。)
- 作者: 上田理,岩井久美子
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2018/08/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
タイムテーブル
時間 | 内容 |
---|---|
18:30~19:00 | 開場 |
19:00~19:10 | スタッフによる前口上・注意事項案内 |
19:15~19:45 | 上田さん「『OSSライセンスの教科書』・・・なぜこのような本を書いたのか」 |
19:45~20:30 | ディスカッション(モデレータ:可知さん) |
20:30~21:00 | ご歓談ください |
21:00~21:15 | 会場撤収 |
内容
イベント概要に書かれていたとおりです。
前半では「OSSライセンスの教科書」の著者である上田理さんを迎え、刊行に至った理由・本著に込めた思い・本書でのポイントなどを語っていただき、後半ではテクニカルライター可知豊さんと共に、上田さんと本書およびOSSライセンスについてのディスカッションを行います。
適度な緊張感(参加者と講演者の発する熱気)のようなものがあって、終わるまであっという間の1時間半でした。
『OSSライセンスの教科書』・・・なぜこのような本を書いたのか
上田さん
[資料は公開されたら追記します]
何故「OSSライセンスの教科書」という本を書いたのか、について。そこに込めた想いをお話されていました。
- 仕事ではなく副業で書いた
- 2000年代に入って、社内で組み込み機器にもOS等が必要になるという機運が高まる
- OSSは幅広く使われるようになってきている
- OSSであってもライセンスは重要。
- 一方で、ライセンスについての信じられない事案も見聞きするようになってきた
- GPL関係のコピーライトやなんかを消して「対処した」
- 上司に相談
- 理解してくれない
- 理解してくれない
- 法務・知財スタッフと相談
- 一般的なライセンスアグリーメントと体裁が違うし 技術用語も出てくるので、嫌がられる
- なんで未だにこんな状況なのか?
- そこをなんとかしたい!
- そこをなんとかしたい!
- OSSライセンスの特徴
- 頒布する人
- どういうものが「著作物なのか」
- 自分が撮った写真は?
- 明確にこれは著作物と言い切るのは難しい
- しかし、著作物であるという意識を持って扱うことが必要ではないか?
- このことからもソフトウェアは著作物であるとして仕事をすべき
- Embedded Linux Conference 2018で聞いたところ
- 社内で孤軍奮闘しているエンジニアの次のステップは社内でコミュニティを作ること
- 法務の人などを巻き込むことも大事
- OSSライセンスは、法務や知財の人員よりエンジニアの方が理解しやすいこともある
- Open Source Summit Japan 2018にて
- Open Source Summit Japan 2018にて
- OSSを使う時は
- お天道様(OSSコミュニティ)に顔向けできない振る舞いをしない。
- 大手を振って歩けるように行動する。
ソフトウェアエンジニアがライセンスを分かってない問題。
— kabukawa (@kabukawa) January 9, 2019
現場でメチャ見てきた。
#sios_tech
OSSを使うようになって久しいのに、未だにライセンスに対して無知な人がいる現状は、何が行けないんだろうね。
— kabukawa (@kabukawa) January 9, 2019
#sios_tech
ディスカッション
モデレータ:可知さん
講演者の上田さんを交えてのディスカッション。 最初に参加者の属性や興味などを挙手で確認しながら、ディスカッションの。 また、アイスブレイクとして隣の人と話をする時間を設けて、発言(質問)しやすい雰囲気を作るなど場作りがうまいなぁと思いました。
質問一つ一つについてはメモを取れていないので、話題に上がった幾つかのリンクを貼っておく感じで。
FOSSA
デベロッパーのために、オープンソースのライセンスの管理という面倒な仕事を助けてくれるツールなどを開発しているプロジェクト。
GitHub Advanced Search
GitHubの提供しているソフトウェアの検索機能。検索オプションでどのライセンスでライセンスされているかを条件指定できる。
OSS Gate
OSS開発に参加する「入り口」を提供する取り組み。
オープンソースソフトウェアポリシー
blog.cybozu.io techlife.cookpad.com
Rubyライセンス
なんどかRubyのライセンスについて言葉が出ていたので、Wikipediaの記述を貼っておきます。
OpenChainプロジェクト
オープンソース コンプライアンスをより簡単に、より一貫性のあるものにすることで、オープンソースへの信頼を構築する取り組み。
オープンソース・ライセンスの談話室
MCをされた可知さんのブログ
懇親会
お酒を飲んで懇親のようなものではなく、純粋に話された内容について参加者と講演者が話をするという懇親会でした。 内容が濃かったこともあり、多くの方が熱心に話をされていたのがとても印象的でした。
次回予告もあったので、タイトル貼っておきます。
次回はたぶん、この話を聞けると思います。
この時の対応なども覚えているので、当事者だった方から話を聞けるのは楽しみです!
まとめ
本当にあっという間の1時間半でした。皆さんの熱気には本当に圧倒された感じがします。 個人的には、会場にSIerの方が少なかったのが残念ですが、この状況を変えていくために微力ながら活動をしていきたいと思います。
ブログを書きます、と告げたらなんと「OSSライセンスの教科書」の物理本を献本いただきました。 内容についてはいずれ感想文を書きたいと思います。 Kindle版を既に買っていたこともあって、物理本は有効に活用できる方法を考えたいです。
さいごになりましたが、講演者、スタッフ、参加者の皆様、ありがとうございました!