お祈りメールが来たことで、自分に足りなかったものって何なんだろうな、と考えてみた。
技術
自分のキャリアでは、特定の言語や特定の業務に特化するところはあまりない。 それはプロジェクトが終われば次のプロジェクトという形で色々なことを経験してきたからだ。 長くても3年(最後のところは例外で6年居た)という中で、何をなすべきか。
もちろん、その過程で良い現場に当たれば10年とか居続けることもできて、 そのスキルも特化したものを得ることができたのかもしれない。 自分にとっては技術と業務の橋渡しができる知識と振る舞いを身につけていくことだった。 いろいろな言語、色々な規模、色々な業務、そしてプロジェクト体制。 うまく行ったものもあれば行かなかったものもある。
しかし、それは一般的には「XXの技術者」という括りには入らないものだ。 それはこれまで2回の転職したときにも面接で言われたことだ。 スキルシートや面接という限られた時間では伝わらないものってなんなのか。 ずっと自問してきたけど、答えは出ていない。 だから、単なる転職ではなく、それを問えるだけの何かを探すために会社を辞めた。
自分は何者か
決してすごい技術者ではないことは自覚している。 Twitterで見かけるすごい技術者はたくさんいるけど、自分はそうではない。 何をしてきたかといえば、「XXの技術者」がやらないけど、システムを動かすためには必要な何か、だ。
全体を動かすために必要なこと。 それを自分では道路工事のおじさん、と呼んでいる。 「XXの技術者」がゴールに向かって走るための道路を作ったり、道路に穴があれば修理したり。 それが、他チームとの調整だったり、チーム内で必要なツールの作成だったり、 参照すべき情報や手順の整備だったり、 場合によっては障害発生時の解析と対応や、クラウドの環境構築、自動化のための仕組みづくりなど
必要なら何でもやる。
こうやって書くと何をやっている人かよくわからない。 それに、結構な部分PLやPM、ものによっては「XXの技術者」がやるべき内容も含まれている。 たぶん自分がやらなきゃと思ったのは、役割が機能せずうまく行っていなかったからなんだろう。 誰がやるかは重要ではないと思っているので、そういうときは自分がやるようにしているだけ。
すごくはないけど何でもやる。 それが自分だ。
ただ、外部の勉強会に参加しまくっているうちに、 Twitterで見かけるすごい技術者にはなれないけど、そこに近づくことはできるのではないかと思い始めた。 すごくはないけど何でもやる。 それだって良いんじゃないかって。
だから、ひたすらインプットするだけではなくアウトプットを始めた。 少しでも、彼らに近づくために。
そして、考えている。
自分は一体何者なんだろう、 どこへ行きたいんだろう、と。
でも、これはたぶん、死ぬまで答えは出ないんだろうな、とも思う。
必要なもの
人によって必要なものは異なるだろう。 なにかに特化する/できることは、そうではない自分からすれば羨ましいとさえ思う。 Twitterで見かけるすごい技術者のように、本当に憧れる。 でも、違うやり方だってあっていい。 そしてそれは、きちんとした役割だと認知されて欲しい。
開発者の信頼を担保する役割。 SREやCREのようにDRE(Development Reliability Engineering)のようなロールが生まれると良いなと思う。 評価指標がとか、解決すべき問題はたくさんある。 でも、だからといっていまのままでいいとも思わない。
とはいえ、まだ始めたばかりだ。 やっていることは本を読んだり勉強会に参加したりするだけで、コードも書けてない。 時間は刻々と過ぎていくし、何かをなし得ている実感はない。 まだ足りないものがあるんだと思う。 自分が欲しいものは自分で取りに行くしか無い。 「求めよ、さらば与えられん」だ。
「XX]の技術者」という枠に収まりたいわけじゃないんだ。 たぶん自分と同じように、特定の技術や業務に特化していない技術者はたくさんいるはず。 特定のことに特化していなくても、現場で必要なことをする技術者はかならずいる。 だから、ここで歩みを止める訳にはいかない。
頑張らなきゃ。
他の誰でもない自分のために。
自分と同じように思っている人のために。
そして、どこかで見ているかもしれない、人のために。