第二新卒でSIerに入社して、常駐先にマイキーボードを持参したら
— Manami Taira (@mana_cat) November 11, 2018
「新入りなのに生意気!」と言われて安いペッコンペッコン響くDELLの標準キーボードで仕事→1ヶ月後に腱鞘炎で手術。片手でも障害対応はやらなきゃいけなくてしんどかった思い出。生産性を下げるクソルールを自分が作らないようにしたい
このツイートを見て「あー、メチャ分かるわー」と思いました。
そもそも新入りなのにとか何も関係なくない?というお気持ち。
とはいえ、自分がこれまで25年以上客先常駐で仕事してきた経験からすると、こういうことってまだまだ多いんだなぁと思ったので、少し思っていることを書いてみます。
客先常駐時の開発環境
客先常駐すると基本的には与えられたPCで作業をすることになるわけですが、そのPCは事務用のPCとあまり変わらないスペックだったりします。
自分のPCはセキュリティなどの問題で持ち込みは禁止されている現場が多く、結果として顧客の用意したPCを「借用」して開発作業をする。
今は流石に聞かなくなりましたけど、「貸してやっているPCのほうがスペックが高いのはけしからんので、事務用のPCで十分だろ!」なんて話、笑い話じゃなく、実際にありました。
開発について理解されている場合は借用PCもそれなりのスペックのものを貸与してもらえることもありますが、その場合でも基本的には与えられたものをそのまま使うことを求められることが多い。
PCがそれなりのスペックだとしても、キーボードやマウス、ディスプレイはお安いPCと変わらないわけですね。
スポーツカーに軽自動車のハンドルが付いているようなものです。
(これはこれでPCメーカーの考え方としてどうなんだという疑問はありますが、、、)
で、普段から思っていることをツイートしてみたところ、意外にいいねを付けていただけたので、みんな考えていることは同じなんだなぁ、と思いました。
エンジニアにとって、キーボードとかディスプレイは大工さんで言うと金槌とかノコギリのようなものなので、自分に合ったものを使いたいという気持ちは大事にしたい。
— kabukawa (@kabukawa) November 13, 2018
自分はどうしたか
じゃぁ、自分はどうしたかと言うと、結論としてはキーボードを持ち込ませてもらってました。2度転職して所属する会社は変わってますし、常駐先ももちろん変わってますが、10年位はキーボードを持ち込んで仕事をさせてもらってました。
昔上司に「どんな環境でも成果を出せるのがプロだ!」と言われて、与えられた環境で頑張っていたのですが、客先が数年おきに変わると結構辛くて、キーボードだけは自前にさせてもらうようにしました。環境周りは持ち出せないので、現場変わるたび毎回リセットですけど。。。
— kabukawa (@kabukawa) November 13, 2018
HHKBのサイトに書かれている有名なこの一文に「そうだよな」と思う技術者は多いと思います。(僕は思いました)
アメリカ西部のカウボーイたちは、馬が死ぬと馬はそこに残していくが、どんなに砂漠を歩こうとも、鞍は自分で担いで往く。
馬は消耗品であり、鞍は自分の体に馴染んだインタフェースだからだ。
いまやパソコンは消耗品であり、キーボードは大切な、生涯使えるインタフェースであることを忘れてはいけない。
【東京大学 名誉教授 和田英一】
別にHHKBじゃなくても良いんですが、自分で使いやすいものを選択することは技術者にとって とても大事なこと だと思うのです。
キーボードで生産性が変わるのか?とか言われるかもしれません。
でも技術者が気持ちよく仕事ができることで 長く定着してモチベーションを高く仕事をしてくれる なら、それって良いことなんじゃないですかね。
それができないのはなぜなのか?
会社によって事情は違うと思いますが、だからやらない、という判断はしないほうが良いのではないでしょうか。
技術者を大事にすることは、これからのIT系の会社では特に重要な課題だと思います。
なんてことを思いました。
尚、キーボードのことを書いてますが、入出力デバイス全般、ディスプレイやマウスなどのポインティングデバイスなども同様です。
とまぁ、なんかいろいろ書きましたが、結論としては
- キーボードでもマウスでもディスプレイでも、入出力デバイスは技術者にとって良いものを。
- 与えられないならせめて持ち込みくらい許して欲しい。
ということです。
余談
キーボードを持ち込んだことでお客さんと話をすることが多くなりました。 なんか変わったものを使っているけど、どんなやつなんだろう?というところから興味を持ってもらう感じ。
HHKBでいうと
- こんな小さくて使いづらくないのか?
- ファンクションキー無いけど?
- 標準のキーボードに比べて良いところは?
みたいなことから、話をするきっかけになった、みたいなことが結構ありました。 コミュ障なので、これはとてもありがたかった。
あと、お客さんの中にも「俺も好きなキーボード持ち込みたい」という人が現れて、輪が広がったこともありました。 キーボードごときでと思われるかもしれませんが、こういう事って結構嬉しいものなんですよ。