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日々のアウトプット記録

Apache Kafka Meetup Japan #6 @Yahoo! JAPAN

04/09(火) は「Apache Kafka Meetup Japan #6 @Yahoo! JAPAN」に参加してきました。

kafka-apache-jp.connpass.com

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会場は YahooLodgeのイベントスペース。

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目次


Apache Kafka Meetup Japan とは

前回の参加報告がありますので、そちらを参照してください。

kabukawa.hatenablog.jp


タイムスケジュール

時間 内容
18:30~19:00 入場受付
19:00~19:05 オープニング
19:05~20:05 "Dissolving the Problem: Kafka is more ACID Than Your Database"
Mr. Tim Berglund (Confluent Inc.)
20:05~20:25 "ログ監視システムにおける時刻ベース遅延の可視化"
大平哲也 (株式会社サイバーエージェント)
20:25~20:45 "Elastic StackでKafkaをモニタリング!"
Jun Ohtani / Community Engineer at Elastic
20:45~21:05 "大量トラフィックを受けるトピックのレプリケーションボトルネック"
Wilson(LINE株式会社)
21:05~22:00 懇親会 + LT(3枠ほど)
21:15~21:20 "有価証券情報システムにおけるKafka利用事例"
株式会社QUICK 近藤
22:00~22:30 撤収

内容


Dissolving the Problem: Kafka is more ACID Than Your Database

Mr. Tim Berglund (Confluent Inc.) さん

www.slideshare.net

同じタイトルで今年の7月にOpen Source Software Coferenceで講演されるようですね。

conferences.oreilly.com


問題を解決する(KafcaからACID準拠のデータベースを作成する)

https://www.amazon.com/dp/1449373321

データベースとは

物事を記憶し、データモデルとACIDトランザクションプロパティを持つプログラム。

ACIDとは何か?

  • Atomicity(原子性)
  • Consistency(一貫性)
  • Isolation(独立性)
  • Durability(耐久性)

Durability(耐久性)

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Atomicity(原子性)

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Isolation(独立性)

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Consistency(一貫性)

  • 不変式/制約
  • 固有のユーザ名
  • 口座残高がゼロより大きい

Kafkaとは何か?

  • イベントのログなどに使用できるメッセージングキュー
  • データアイテムはKey-Value Pair
  • 順序保証
  • 定数時間リード
  • ストレージへの永続化など

Kafkaクラスタで各ノード (ブローカー) にパーティショニングでき、ブローカー間でトピックを複製・保持する。

Topics

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パーティショニング

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複製

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プロデューサー

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コンシューマー

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Kafka ストリーム

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  • ストリームをテーブルに変換
  • テーブルでストリームを充填
  • 集約ストリーム
  • あるストリームを別のストリームに結合
  • ステートフルアプリケーションを拡張
  • 機能的なJava API
  • ストリームとテーブルの抽象化
  • スケーラブルでフォールトトレラントな状態

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KSQL

CREATE TABLE movie_ratings AS
    SELECT title,
        SUM(rating)/COUNT(rating) AS avg_rating,
        COUNT(rating) AS num_ratings
    FROM ratings
        LEFT OUTER JOIN movies
        ON ratings.movie_id = movies.movie_id
    GROUP BY title;

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  • 宣言型ストリーム処理言語
  • ストリームとテーブルの抽象化を提供
  • フィルター、結合、集約
  • 水平方向にスケーラブルなKSQLクラスタで実行する

www.confluent.io

クールだけどKafkaを使ってもいい?

  • Atomicity(原子性)
  • Consistency(一貫性)
  • Isolation(独立性)
  • Durability(耐久性)

データベースとは何ですか?

  • SQL
  • 表モデル
  • ストレージエンジン
  • コミットログ

あなたはマイクロサービスを書いているだけではありません。 あなたはACIDセマンティクスで裏返しのデータベースを構築しています、そしてそれは良いことです。

github.com


個人メモ:

  • 英語のセッションで話されていることが結構抜け落ちていたので、こうやって資料を読み直すことで思い出すことが有ってよかった。
  • Kafkaって結局一体何なのさ?という問いに対する一つの答えとして、このセッションの内容は興味深いなと思った。


ログ監視システムにおける時刻ベース遅延の可視化

大平哲也 (株式会社サイバーエージェント) さん

speakerdeck.com


ログの品質管理システム

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  • 不正なログをフィルタリングして後続に流す。
  • 許容可能な遅延時間に上限がある。

Kafkaはオフセットでログを管理しているが、古いログの滞留量が、流量増加のせいか処理遅延のせいかか分からない。

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  • 遅延への対応
    • 経験則でオフセットの遅延から遅延時刻を推定
    • メッセージを手動で取得し、タイムスタンプを一つずつ確認
  • 時間ベースでログの遅延を監視したい

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時間ベースの遅延計算

  1. オフセット情報䛾一覧を取得
  2. パーティションから䛾オフセット地点のメッセージを取得
  3. 現在時刻とtimestampの差を計算

実行時間の問題点

複数パーティション同時購読の課題

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改善方法

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高速化結果

  • 7分半→1分半へ高速化
  • 比率にすると1/5程度䛾時間に短縮
  • 1分半ほどの実行時間であれば常時回しておけば遅延監視には十分な速度

遅延の可視化

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個人メモ:

  • こうやって工夫をしながら運用改善を積み重ねていくのは良いなと思った。
  • でも、こういう要望って他のところでもありそうな気がするので、本体に取り込んでもらえると良いのかもしれない。


Elastic StackでKafkaをモニタリング!

Jun Ohtani / Community Engineer at Elastic さん

noti.st

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Monitoring Kafka with Elastic Stack: Filebeat | Elastic Blog


Elastic StackでKafkaのモニタリング始めてみるには? という内容

Elastic Stack

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ElasticStack の構成

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Beats を使ってモニタリング対象のデータを収集

www.elastic.co

製品名 収集対象
Filebeat ログファイル
Metricbeat メトリック
Packetbeat ネットワークパケット
Winlogbeat Windowsイベントログ
Auditbeat 監査データ
Heartbeat 稼働状況の監視
Functionbeat サーバーレスシッパー

Java ではないので軽量。Kafka にもデータを送れる。

Beats から直接 Elasticsearch に送ってもいいが、 Elasticsearch はデータベースでは無いのでトランザクションなどを要求されると弱い。 なので BeatsKafkaElasticsearchKibana のように、Kafka をElasticsearchの前段に挟むと良いのではないか。

Beatsからデータを送る対象アプリごとにモジュールが用意されてる。

www.elastic.co

参考文献

データ分析基盤構築入門[Fluentd、Elasticsearch、Kibanaによるログ収集と可視化]

データ分析基盤構築入門[Fluentd、Elasticsearch、Kibanaによるログ収集と可視化]

Elasticsearch実践ガイド (impress top gear)

Elasticsearch実践ガイド (impress top gear)

参考サイト


個人メモ:

  • Kafkaの監視、会場ではPrometheusでやっている人が多かった(と言っても数人)
  • Beats、種類も結構あるし、接続先のモジュールも多くて結構便利そう。
  • kibanaもデフォルトでここまで見られるようになるの、いいな。

大量トラフィックを受けるトピックのレプリケーションボトルネック

Wilson(LINE株式会社) さん

speakerdeck.com


正月のあけおめスパイクトラフィックによってReplicaがOut-of-Synkしてしまったお話

Kafkaのレプリケーションの仕組み

  • メッセージを複数のブローカに複製
  • Partition/Leader/Fetacherの割り当てをラウンドロビンで行なっている
  • 組合せの割当て方によって偏りが生じ、負荷分散が適切に機能しないことがある

正月のあけおめスパイクトラフィック

  • 01/01 00:00 前後。LINEに新年の挨拶が飛び交い、メッセージが滞留
  • NW, I/O, CPU の使用率は高くない
  • 一部のFetcherが複数のPartitionをFetchしようとしていたため、ReplicaのFetchが遅くなっていた

偏りをどうやって減らしたか

  • 組合せを見直す

個人メモ:

  • 正月のスパイクは通常時の倍以上の流量だったようで、これを遅延をできるだけ少なく捌くのはかなり大変そうだと思った。
  • 通常の利用では顕在化しない動きも出るだろうし、今回の偏りの話もその類の話かなと感じた。
  • とはいえ、最後はこうやって人間が調整して対応することで事なきを得た、というのが面白かった。

LT:有価証券情報システムにおけるKafka利用事例

株式会社QUICK 近藤 さん

[資料は公開されたら追記します]


懇親会

お寿司とピザを摘みつつ、参加者同士の歓談が続きました。

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自分はちょっと疲れが溜まっていたので少し早めに撤収。美味しい料理と飲み物、ありがとうございました!


まとめ

今回も、Kafkaとはなにか?という話から実運用、監視と言った様々な切り口でお話を聞くことができました。 Apache Kafka Meetup Japanでは毎回1セッションは英語のみ(同時通訳無し)のものがあるのですが、それも慣れてしまえば楽しく聞くことができますので、とても良い勉強会だと思います。 次回も是非参加したいなと思いました。

講演者、スタッフ、参加者の皆様、ありがとうございました!

IBM TEC-J Presents 「知性を問う」勉強会第二弾

04/08(月) は「IBM TEC-J Presents 「知性を問う」勉強会第二弾」に参加してきました。

connpass.com

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会場は 日本IBM さんの 箱崎事業所。

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廊下が白と直線を基調としたデザインでIBMっぽい感じですね。 ちなみにWi-Fiは提供されていませんでしたので、自前でテザリング等で接続する必要があります。 (Call for Codeのハンズオンで来たときは提供されていたので、この辺りはイベントによって変わるということなのだと思います)


目次


IBM TEC-Jとは

以下のページに詳しく書かれていますので、参照してください。

www.imagazine.co.jp

上記ページの冒頭に書かれている内容を引用すると

米国のIBM技術アカデミーと連携しながら活動しているIBM TEC-J (Technical Expert Council – Japan)は、IBM技術者の自由な技術コミュニティとして多様な研究テーマを提案し、ボランティアベースの研究チームを編成している。

ということで、以下の9カテゴリに分類された技術研究テーマについて、それぞれのカテゴリ毎にリーダーを立てて活動をされているようです。

  • Profession Activity
  • AI Cognitive Analytics
  • Cognitive Ops
  • Cognitive UX
  • Architecture and Solution
  • System Infrastructure
  • Software Engineering
  • Socio Technical Problems
  • Work Style

この IBM TEC-J チームが運営するのがこの勉強会です。

1回目は実施されたのを知らなかったのですが、以下の勉強会のようです。

connpass.com


何故参加したか

テーマに興味があって参加しました。


内容

講義形式で2本のセッション、最後に討論という形式で進められました。

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"「知性を問う」勉強会第二弾"

18:00から勉強会開始と他の勉強会に比べて早いのと、雨が時々激しく降る天候にもかかわらず、50人以上の人が参加していました。

以下の内容は、セッション中にメモした内容を載せているので、不正確だったり不足している情報があるかと思います。 その点は予めご了承ください。

資料に詳しく書かれているので、詳細は資料を見ていただければと思います。


「意味とはなにか」

マルレク 丸山不二夫 さん

人工知能にとって自然言語の意味を理解するということは、重要な課題です。
自然言語処理技術と意味理解の試み、構成的意味理解のアプローチについてご講演をいただきます。
深層学習を用いた機械翻訳や画像の書き起こし、IBM Watsonの文法解釈など、語と文や文法が現実の世界をどう表現し、意味を解釈できるのか探求します。

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"意味とはなにか?文の意味の構成性とその形式的理論"


個人メモ:

研究の方法と立場を紹介しながらアプローチを紹介

  • 言語理論に関しては計算主義
  • 意味の理論としては形式性
  • 構成性

Frageの理論

複雑な式の意味は、その部分の意味とそれらを組み合わせるための規則によって決まります。 * --- Gottlob Frege


言語・意味への関心を振り返る

言語・意味への関心

  • 言語・意味への関心は歴史的に形成されたものである。 それは基本的には近代以降のものだ。

Lingua Franca

  • 言語と言語が交わるとき、言語に関する関心が生まれる。 意味についても異なる言語間の翻訳が意味についての新しい洞察を可能にする

「形式」の重要性の認識

  • 認識論と科学における「形式」概念の重要性を表すものとしてこれらの議論を考えている

Penrose“Shadows of the Mind”

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ルネッサンス 理性概念

チョムスキーは、ある時期まで自己の言語理論を「デカルト言語学」と特徴づけていた。

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自然科学の方法をめぐって

ボルツマン チューリング の 共通点

  • 名前についたマシンを持っている
  • 自殺している

原子論者 ボルツマン

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異端の学説 原子論

Scott Aaronson は自書 “Quantum Computing Since Democritus” の表紙をデモクリトスで飾った。

ボルツマンの悲劇

  • 19世紀の物理学ても、「原子論」は「異端」の学説だった。 ボルツマンの業績は、彼の生前には正当に評価されなかった。 特に、当時の物理学会で大きな発言力を持っていたマッハとそ の取り巻きは、酬釧ニボルツマンの「原子論」を攻撃した。 ボル ツマンは、追い詰められ、次第に精神を病んでゆく。
  • アインシュタインの画期的な論文「熱の分子論から要求される 静止液体中の懸濁粒子の運動について」が出たのは、1905 年5月である。 ボルツマンも、この20代の若者の論文を読んだ と思うのだが。
  • 1906年、彼は、自ら命を絶つ。

“Can machines think?”
機械論者・計算主義者としてのチューリング

私は「機械は考えられるのか?」という質問を検討することを提案する。

元の質問、「機械は考えられますか?」 私は議論に値するにはあまりにも無意味すぎると思います。
それにもかかわらず、私は今世紀の終わりに言葉の使用と一般的な教育された意見が矛盾することを期待することなく機械の思考を話すことができるようになるほど変化したと信じています。
- アラン・チューリング

チューリング 異端としての「知的機械」論

academic.oup.com

シャノン 情報理論の登場 1948年

形式的言語の形式的特徴づけ
Chomsky 1956年

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計算主義とはなにか?

人工知能論における「計算主義」とは、人間の「知能」の本質を「計算」として抽象しようとするもの。

計算主義の含意

人間の「知能」の本質を「計算」として抽象することで、その抽 象の限りでは、「機械」と「人間」は等値されうる。 だから、この 抽象のもとでは、機械ができることは人間にもてきることになり、 人間がてきることは機械にもできることになる。 特に、後者の 「人間ができることは機械にもできる」という主張は、人工知能 技術の可能性を考える上では、とても強い主張になる。 人工知能の可能性を考える上では、「我々自身を見よ!」という以上 の強いメッセージを、僕は、思いつかない。

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現代の言語学
Biolinguistic
Minimalist Program
Lambek Pregroup Grammar

言語への言語学からのアプローチ

Chomsky “Syntactic Structures” 1957年

Syntactic Structures

Syntactic Structures

  • Chomskyの立場(1) Biolinguistic
  • Chomskyの立場(2) Minimalist Program

Biolinguisticとはなにか?

  • 言語能力に関する遺伝子の発見 Simon Fisher 2001年

言語能力に関する遺伝子 FOXP2

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ゲーリングによる目の遺伝子 Pax-6の発見

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脳研究 EU Human Brain Project

Henry Markram

  • “I wanted to model the brain because we didn’t understand it.”
  • “The best way to figure out how something works is to try to build it from scratch.”
    • in vivo
    • in vitro
    • in silico

Minimalist Program の言語像 Mergeとはなにか?

The Minimalist Program (The MIT Press)

The Minimalist Program (The MIT Press)

普遍文法をボトムアップで構成する

“Approaching UG from Below” Noam Chomsky 2007 http://goo.gl/V7lrsG

Mergeとはなにか?

“The Science of Language: Interviews with James McGilvray” から https://goo.gl/lbAO7n

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Minimalist Program と Pregroup Grammar

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PreGroup Grammar

From word to sentence: "a computational algebraic approach to grammar" Joachim Lambek 2008年 http://www.math.mcgill.ca/barr/lambek/pdffiles/2008lambek.pdf

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“a computational algebraic approach to grammar” 「計算主義」

ただ、それはぶんの構成性の理論であって、意味の構成性の理論ではない。我々はもう少し先に進まなければならない。


普段2時間で喋る内容を45分でやったので途中で終わった。


「知性のアーキテクチャ

KatsushiYamashita さん

タコの心身問題 (Other Minds https://amzn.to/2NDxGC7シドニー生まれの科学哲学者ピーター・ゴドフリー=スミスはヒトとは全く異なる進化経路を辿ったタコの「心」を身体に分散した神経組織による分散処理だと捉える。 それは粘菌やシロアリ、ミツバチなどの群体の驚くべき知性と同じものかもしれない。 一方で、現れる存在 (Being There https://amzn.to/2Tg7ROo) が主張するように、どれだけたくさんの知識をため込んだ論理機械も自己の認識と環境構造がなければ知的な思索を持ち得ない。 人の中央集権的な脳は知性を宿しているといえるのか?

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"知性のアーキテクチャ について"


個人メモ:

「心」というシステムは脳よりずっと広い

  • ブレインアップロード
  • 人間と同じにはならないけど、新しいデジタルな人格ができるのではないか?

タコの心身問題

タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

現れる存在

現れる存在―脳と身体と世界の再統合

現れる存在―脳と身体と世界の再統合

ファイルキャビネットと論理機械

  • 欠けているもの
  • 主体、つまり自分

主体的体験

わたしは不思議の環

わたしは不思議の環

わたしは不思議の環

不完全なプログラム

自己とはなにか?

  • 内的には言葉を使っている

言語はすべての知性を言い表せない

  • 時間的発展を止めてしまう

知性の二元論を否定する

知性は時間的空間的に拡張されたプロセス

Alan Watts

過去と未来は幻想であり現在の中にある

  • エゴは外界を探知する問題探索機だ
  • エゴを認識したことを覚えてはいない

遺伝的アルゴリズム

進化電子工学

  • FPGAを使って音階を聞き分けるプログラムを遺伝的アルゴリズムで進化させる
  • 37ゲートで音階を聞き分ける
  • 5ゲートはどこにもつながっていない(けど必要)
  • 生成されたコードは他のFPGAでは動かない(環境依存性が有る)

知性を構成する要素

  • 言語・中小と近く・具象の中間領域
  • 中間領域を要素とする認知の分散処理
  • 単純な指標とブロードキャストによる軍制御理論
  • 分散処理を指数級数的に進化させる遺伝的アルゴリズム
  • 身体性と同義なデジタル空間の環境資源とそれとの作用・反作用
  • 時間と空間の獲得

月は無慈悲な夜の女王

月は無慈悲な夜の女王

Samantha

  • デジタル空間のエージェントに人間が恋に落ちる
  • デジタル空間の別のエージェントと会話することで人間界との関わりをやめてしまう

「知性を問う 討論会」

SIGMAXYZ 柴沼俊一 さん
IBMリサーチ 渡辺日出雄 さん
マルレク 丸山不二夫 さん
KatsushiYamashita さん

二つの講演者とSIGMAXYZ柴沼俊一、IBMリサーチ渡辺日出雄を交え「知性の身体性」について、その人工知能機械的実現、社会や環境構造などについて会場を交えて議論します。

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Box


個人メモ:

柴沼さん

  • 企業経営の規律型組織と自律型組織 タコの話を聞いて納得
  • 人間に自由な意志はあるのか? どうやって人を動かしていくか?A/Bテストを社会全体に当てはめて、インフルエンサー、ゲートを設定することはマーケティングの手法として確立されるのではないか?
  • 創発 自由意志ではない 社会は残酷で思ったとおりには全然動かない 創発的に動かしている

丸山さん

  • 知性 神の知性・全知全能の知性として何を返すことができるか?
  • 科学が何を認識できるか?
  • 何をどういう立場でアプローチできるかが関心

渡辺さん

  • 知性の定義はたくさんある
  • タコの心身問題 タコには知性が有ると思うのはなぜか?
  • ランダムに反応をしているのではないような頭の中で考えたような環境に応じて反応が変わるようなもの
  • コミュニケーションの手段として存在する
  • 昔は翻訳のルールを書いていたが今はDLで。
  • 人間は文だけではコミュニケーションをしていない
  • 発話のセンテンスを取り込めていない
  • I saw a girl from telescope.
  • コンテキストによって意味解釈が変わる。

山下さん

  • 限定合理性の中で無限の意味空間的に広いものを扱う
  • LSTMで限定的にはとき始めている
  • 人間が総体として持っている知性
  • 海は高いストレスにさらされている

柴沼さん

  • 平和なときは個の自立をエンジョイできるけど危機的状況になると種の保存の法則に変わる

丸山さん * 正しいものだけが生き残る * 個人が持っているものではない * 人間の累積的な知識 * 知性とか科学とはなにか? * 科学全体の達成はみんなのものになる * 自分たちのものは? * 集団的な知のあり方は大事

会場から
名古屋のインフラエンジニアさん

  • 人類が持っている知性と知識はどうなるのか?

丸山さん

  • 知性と知識は違う
  • 知識はどんどんためていける
  • 知性と知識はカテゴライズされるべき
  • 万人が持っているという理性
  • 人類の知は確実に存在する たとえば技術
  • それを担う人間もいて成り立つので知性

会場から

  • 知識は何かによってエンコードされているものを知識
  • 知性 何らかの行動を見て知性を持っていると判断する

会場から
吉岡さん

  • チョムスキーの話
  • 言語学者が言う文法は人間が生来的に持っているものなのか?後付で体得するものなのか?
  • 昔は文法を一所懸命やって翻訳に適用したけどうまく行かなかった
  • 今は統計的なやり方で結構上手く行っているのをどう思うか?

丸山さん

  • それは素人考え
  • 今はそう見えるかもしれないが、チョムスキーの言う普遍文法はベース的なもので、そこから学習をする
  • DLの限界は見えている

渡辺さん

  • 今の技術では十分にエンコードで来ていない
  • 人間のコミュニケーションは文脈に依存する
  • 文脈に依存する翻訳はは未だにできていない
  • 大統一理論はまだできていないのだろうと思う

会場から
IBMチンさん

  • ネットワークは自律的なシステム
  • ネットワーク中立論
  • 外部の知性から刺激を受けながら成長させることができる
  • ネットワークのトラブルを検知するにはどうしたらいいか

会場から (お名前を聞きそびれました)

  • 答えがわかっているなら中央制御がいい
  • インターネットの問題は競争がないこと
  • 壊れたらどうにもならない
  • ネットワークの中立性の難しいところ
    • 等分するのか
    • リソースによるのか
    • ニーズによるのか
  • 中央制御には反対

山下さん

  • Power Hop Behaver
  • 中央制御がうまくいかないのはIBM自身が証明

会場から
山本さん

  • 人間が知性を獲得したのは最近のこと
  • 伝えていかないといけないし蓄積していかないといけない

丸山さん

  • 言語の役割は重要
  • 最初は音だったので記憶にしか残らない
  • 言葉によって蓄積が可能になった
  • 言語が情報として定着したことが重要
  • ただ、最近の若者は文字離れ
  • しゃべる、聞くが基本だから元の世界に戻っている麺がある
  • コンピュータ
  • 発話は音を生成するしかない

会場から
櫻井さん

  • 粘菌 巡回セールスマンと同じ動きをしている
  • 単細胞がこんなことをできるのに量子コンピューターはまだできていない

丸山さん

  • 粘菌は試行錯誤の積み重ねでやっているだけ
  • あるところから爆発的に複雑になるので、それも粘菌が解決できるわけではない
  • アナログコンピューターは不思議な問題を解ける
  • アルゴリズムは色々あるので別の解があり得る

会場から
櫻井さん

  • サーモスタットに意思が宿る
  • コンピューターを進化させると知性が宿るという話があったが、そういうものにも意識が宿ることになるのか

山下さん

  • 意識の定義の問題
  • コンピュータが持つ知識は人間とはぜんぜん違うもの
  • 人間が思っている人間と同じような意識が宿るわけではない
  • 身体性 タコは分散処理している
  • 2年しか生きないので主として伝達を目的としていない
  • 人間はそれとは違う
  • 処理形態によって変わるので、人間とは違うものになる

渡辺さん

  • 統合情報理論
  • 意識を考えるヒントが有る
  • 多くの場合を表現できる
  • 統合できる
  • そういうものを意識と考える

会場から
コベルコのかた

  • シンギュラリティについてはどう考えているか?

山下さん

  • 処理能力はとっくの昔に人間を超えている
  • 意識があるかはまた別の問題

丸山さん

  • 機械より人間が愚かになることはあると思う

柴沼さん

  • 人間の特を積んでいくことで人間の知性はのこっていくことになるのかもしれない

渡辺さん

  • 人間の感じる恐怖感
  • 人間のような意識や意図を表現できるようになれば変わるかもしれないけど、いつ起こる、みたいな話はナンセンス

山下さん

  • たまには役に立つこともやる
  • 普段は触れたり考えたりすることもやっていくのでよろしく

まとめ

とても沢山の情報を得ることができ、濃密な2時間半でした。 ただ、先週のAIの勉強会のときにも感じたのですが、自分はまだまだ勉強が足りないなというのが実感です。 おそらく今回の内容も基本的な理論や考え方について理解していれば、もっと深く知ることができたし質問もできたと思うのですが、残念ながらそこまでは至ることができませんでした。今回、詳細に書かれた資料を公開していただけているので、これを元に勉強をして理解を深めたいと思いました。

講演者、スタッフ、参加者の皆様、ありがとうございました!

04/08~04/14 参加予定の勉強会など

予定表

今週の参加予定を書いておきます。

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日付 時刻 イベント ハッシュタグ
04/08(月) 18:00〜20:30 connpass.com #ibmtecj
04/09(火) 10:00〜18:00 confengine.com #DevOpsDaysTokyo
04/09(火) 19:00〜22:30 kafka-apache-jp.connpass.com #kafkajp
04/10(水) 10:00〜18:30 confengine.com #DevOpsDaysTokyo
04/10(水) 19:30〜21:30 stamp.connpass.com #PORTJP,JP_Stripes
04/11(木) 19:30〜22:00 mixi.connpass.com #rdb_soudai
04/12(金) - なし
04/13(土) 13:30〜17:30 iijmio.connpass.com #iijmio
04/14(日) 11:00〜17:00 techbookfest.org

コメント

  • 今週は金曜以外全部埋まっていて、自分で言うのもなんですが、頭おかしい。
  • 以下のキャンペーンに応募して、火曜水曜は急遽 DevOpsDays Tokyo 2019 に参加できることになったので朝から参加します。
  • 木曜は補欠なので、他の勉強会に変更するかもしれません。